一般的には楽曲の魅力は、ボーカルや作詞、作曲に頼るところが大きいと思いがちです。もちろんそれは間違いではありませんが、それと変わらないぐらいに重要な位置を占めるのが編曲です。コード進行、楽器の編成以外にイントロやアウトロ、間奏などの構成、また、演奏からレコーディングまでを行う場合もあり、楽曲全体のイメージを決定づける重要な役割を果たしています。そこで、今回は音楽の仕事のなかでも編曲家について、具体的な役割やなり方についてお伝えします。
従来の編曲家と最近の編曲家の作業の違い
歌詞をつくる作詞家と曲をつくる作曲家の違いは誰でもわかるでしょう。しかし、作曲家と編曲家の違いを具体的に説明できる人は少ないのではないでしょうか。それは、作曲家と編曲家の境界線が非常に曖昧であることが挙げられますが、現在はその境界線がさらに曖昧になりつつあります。
従来の作曲家と編曲家の関係性は、作曲家がメロディの楽譜をつくり、これに楽器を決めることも含めたアレンジの楽譜をつくるというものでした。しかし、最近では作曲家がある程度の楽器を含めたデモをつくり、それをもとに編曲家がアレンジを完成させるという流れになりつつあります。これは、作曲家が楽器1つで曲をつくるのではなく、コンピューターを使ってつくるようになったことが大きな要因です。
つまり、作曲という作業であっても、多くの場合、編曲の作業も同時に行っていることになります。これは編曲家の仕事がなくなるということではなく、編曲家になろうと思えば、作曲家の素養も強く持つことが重要であるということです。
編曲家になるには何が必要?
担当した楽曲の演奏をする際の楽譜をつくることが求められる編曲家。そのため、編曲家になるには、あらゆる楽器の知識が必須です。また、前述したように現在、ほとんどの楽曲はコンピューターでつくられているため、楽曲制作ソフトの操作ができることも絶対条件といえるでしょう。
そのうえで、編曲家になる方法は楽曲コンペに参加することですが、ポイントは良い作曲家を見つけること。そして、それがかなわない時は、自分で作曲、編曲の両方を行う必要があります。
作曲家や作詞家のイメージを最大限に膨らませられることが編曲家の仕事
近年、楽曲をつくる仕事の役割は大きく変わりつつあり、編曲家の役割は以前にも増して重要な位置を占めるようになっています。ただしそれは作曲家の役割が小さくなっているということではありません。作曲家、編曲家双方の垣根が曖昧になっていて、作曲家は編曲家、編曲家は作曲家の作業を行えるようでなくては、プロとしてやっていけないということです。
そして、編曲家の最大の役割は、作詞家や作曲家の思いをくみ取り、最大限に膨らませることです。そのためには、音楽の知識、スキルだけを鍛えるのではなく、さまざまな音楽を聴くことでどのような歌詞、メロディにも対応できるようにすることが重要だといえるでしょう。
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